2016年12月5日月曜日

堀川

洛外の人が洛中に行くときに、ちょっと前までは「京都に出かける」と表現したらしい。洛中洛外については、井上章一の「京都ぎらい」に詳しく書かれている。一年前、京都に越してきて最初に丸善で買ったのが出たばかりのこの本で、面白く読ませてもらった。

どこまでが洛中で、どこからが洛外かというのは諸説あるようだが、私が住んでいるのは言うまでもなく洛外。最近では、行動半径がどんどん縮小して、「洛中」に行く機会が随分と減った。普段は自転車で移動しているのだが、南は丸太町通り、東は堀川、北は北大路、西は研修会館どまりである。西大路の東、北大路の南を洛中とすれば、実際には洛中も行動半径の中に入ってくるのだが、問題は堀川通り。

一週間か十日に一度は中央図書館に出かけている。丸太町通りまで下り、そこから東に進んで行くと中央図書館。ただ、ここから御所方面に向かおうとすると堀川通りが大きな壁となって立ちはだかる。京都市内を南北に貫く他の通りより幅の広い道路に過ぎないのだが、この堀川が越えられない。昔は、名前の通り川が流れていたのだろう、強力な結界になっている。結局、堀川丸太町の交差点で左折北上して帰ってくることが多い。

どのルートを使えば自転車で洛中に入れるのか、つまり堀川を越えられるのか? 最終的に見つけたのが中立売通。北野白梅町から一筋南の一条通りを東に進み、七本松通りのところで中立売通りに入り、そこから南東方向に下って行く。そのまま千本通りを越え、御所方面に向かうと堀川。ここだとなぜか堀川通りが越えられる。あとは、ゆるい下り道を東に南に自転車をこいでいれば烏丸丸太町にたどりつく。人力で移動していく面白味がこんなところにある。