2016年1月16日土曜日

みーはー

身近な人が亡くなってから、ほんとは、その人のことをあんまりよく知らなかったという事実に行きあたる。妻のときもそうだったし、父も同様である。遺品を整理しながら、え、こんな一面があったのかと驚きながら一年間すごしてきた。

息子視線から父を表現すると、「やんちゃ」で「みーはー」な父ということになる。なんせ、北海道の大沼公園でレンタサイクルを借りたはよいが、走り始めて間もなく側溝に突っ込み意識不明となり、救急車で病院に運ばれ、脳挫傷、骨折4箇所で全治4週間という事故を引き起こし、御年76で、やんちゃぶりをいかんなく発揮してくれた。自転車に跨るのは20年ぶりだったとか。父が東京に移るきっかけとなった大事件でもある。

おやじにあって、ぼくにないものの筆頭が「みーはー」なところで、あの軽さは、いったいどこから来るのだろうと、ずっと謎だった。最後は、辻井伸行のおっかけですからね。ところで、みーはーの語源ってなんだろう? 「me & her 」なのか? 大辞林だと「みいちゃんはあちゃん」の略とある。wikipediaを見ると、最初に、「みつまめ」と「はやし長二郎(長谷川一夫)」大好き人間を揶揄したキャッチフレーズという説が、載っているが、それはないだろう。

教養主義の上澄みをすくい取ったものが、ミーハーなのかとも思うのだが、オヤジの生きた「昭和」という時代の空気を案外的確に言い表していることばであるのかもしれない。