2012年9月29日土曜日

なぜ身体教育なのか? 1

【承前】

 スキャンした昔々の自分の書いた文章を読んで、なんだ20代の頃とぜんぜんブレないでやってきたんだということが確認できた。ブレてないというか、あんまり前に進んでないぞ。とはいえ、身体教育というものに関わってきて30年、その後の進捗度合いというか、少なくとも現段階でのまとめというものをひとつやっておかないとイカンなという気分になってきた。と、同時に、自分の仕事の領域を広げていくきっかけにもしたい。そんな訳で、これからしばらく、取り留めもなく、とはいえ、ある程度のまとまりを目指して、いま考えていることを文章にしていくことにする。

 かつて、私が在籍したのが、「体験学習」を元にした「実験的」大学 - an experimental college based on experiential learning であったということが、教育という分野に頭を突っ込むことになったきっかけである。「体験学習」というのは「現場主義」と言い換えてよいと思うのだが、つまりは、学生を現場に放り込み、そこで問題を感じとらせることを眼目にしていた。しかしながら、そこに確固とした方法論があったとは言い難く、体験→レポート→評価→体験→…..を繰り返しながら、いわば行き当たりばったりの体験をしながら卒業していくという仕組みになっていた。当然のことだけれど、当たり外れは大きく、ある一定のレベルを保つことは困難なシステムであったといえる。これを学校という枠組みの中で学費をとってやろうという野心はよしとするとしても、かなり無理のあるシステムである。今でこそ、大学生が夏休みを利用して研修旅行と称したツアーに参加することで単位を獲得するという制度は普通であるが、私のケースは1970年代のことであり、当然のことながらインターネットなどというものはまだない。それどころか、国際電話ひとつかけるにしても10分3000円とかの時代である。

 ・FWC JOURNAL 1974 SANA FE COMMUNITY SCHOOL 
 ・FWC JOURNAL 1974-75 INDIA 
 ・FWC THESIS 1976